== 分数関数 ==
■解説 ○ 中学校で習う反比例の関数 は右図1のような直角双曲線である.(直角双曲線の「直角」とは,漸近線が直角に交わるということで,直角でない双曲線は数学Cで学ぶ.) 【 グラフの平行移動 】 ・・・(1)
一般に,関数 【 直角双曲線の平行移動 】 ・・・(2)
関数 y= のグラフを x 軸の正の向きに p, y 軸の正の向きに q だけ平行移動してできるグラフの方程式は y=+q になる. |
図1
(1)の詳しい解説→ (2)の例: y=+4 のグラフは,y= のグラフを x軸の正の向きに 2,y 軸の正の向きに 4 だけ平行移動したものだから,次のようなグラフになる. |
【 漸近線の方程式 】 ・・・(3)
y=+q の漸近線の方程式は,x=p 及び y=q ※ グラフが限りなく近づく線(直線)を漸近線という.この場合,グラフは漸近線に限りなく近づくが,漸近線と交わったり接したりすることはない. 例えば,y=q が漸近線であるとき,x のどのような値に対しても y=q となることはない. また,x=p が漸近線であるとき, x=p の値に対応する点はない. ※ したがって,y=+q のグラフでは,x≠p 及び y≠q となる. |
値域は y<q , q<y |
【 xy=a の形での表示 】 ・・・(4)
関数 は,分母を払えば xy=a と同じである.この形で書かれることもある,そのとき,平行移動や漸近線の公式は次の通り. xy=a のグラフを x 軸の正の向きに p, y 軸の正の向きに q だけ平行移動してできるグラフの方程式は |
例 2xy−4x+3y−2=0 は (2x+3)(y−2)+6−2=0 と変形すると (2x+3)(y−2)=−4 すなわち,(x+)(y−2)=−−2 となるから xy=−2 のグラフを x 軸の正の向きに −, y 軸の正の向きに 2 だけ平行移動グラフで, 漸近線の方程式は x=− , y=2 となる. |
問題1 次の分数関数のグラフを右図から選べ. (初めに関数を選び続いてグラフを選べ.グラフ側にはジョーカーが含まれている.)
のグラフは, のグラフをx方向に3,y方向に4だけ平行移動したものなので, x=3 と y=4 が漸近線になり,グラフは右上と左下にできます.
のグラフは, のグラフをx方向に−3,y方向に−4だけ平行移動したものなので, x=−3 と y=−4 が漸近線になり,グラフは右下と左上にできます.
のグラフは, のグラフをx方向に3,y方向に−4だけ平行移動したものなので, x=3 と y=−4 が漸近線になり,グラフは右下と左上にできます.
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問題2 |
1.
のグラフは, のグラフをx方向に1,y方向に5だけ平行移動したものなので, x=1 と y=5 が漸近線になり,グラフは右上と左下にできます.
2.
のグラフは, のグラフをy方向に−3だけ平行移動したものなので, x=0 と y=−3 が漸近線になり,グラフは右下と左上にできます.
3.y= = =+2
の漸近線の方程式は x=−2 , y=2
4.(x−3)(y+2)+6+4=0
(x−3)(y+2)=−10 y+2= y= −2 の漸近線の方程式は x=3 , y=−2
5.(x+)(y−)=
y−= y= + の漸近線の方程式は x=− , y= |
問題3 次の空欄を埋めよ.
採点するやり直すHELP
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(1)
y==+3 は y= を x 軸の正の向きに −1, y 軸の正の向きに 3 だけ平行移動したもの …(A) y==+2 は y= を x 軸の正の向きに 1, y 軸の正の向きに 2 だけ平行移動したもの …(B) (A)は(B)を x 軸の正の向きに - 2,y 軸の正の向きに 1 だけ平行移動したもの.
(2)
y==+3 は y= を x 軸の正の向きに 2,y 軸の正の向きに 3 だけ平行移動したもの …(A) y==−2 は y= を x 軸の正の向きに −1,y 軸の正の向きに −2 だけ平行移動したもの …(B) (A)は(B)を x 軸の正の向きに 3,y 軸の正の向きに 5 だけ平行移動したもの.
(3)
漸近線が x=2 , y=3 だから,方程式は y=+3 とおける. 原点を通るから 0=+3 → a=6
(4)
漸近線が x=−1 , y=−2 だから,方程式は y=−2 とおける. (1 , 1) を通るから 1=−2 → a=6 |
問題4 次の空欄を埋めよ.
採点するやり直すHELP |
(1) y=||=|1+|
のグラフは,右図赤で示した線. (青い線が y= で, そのうち y<0 の部分を上に折り返したものが赤い線) y=0 ⇔ x=2 のとき最小
(2)
(ア) x<0 のとき,y= ==1+ (右図緑の線) (イ) x≧0 のとき,y= =1+ (右図黄の線) x=0 のとき最小値 y=−1 をとる. |
■[個別の頁からの質問に対する回答][分数関数について/18.6.13]
とてもわかりやすく素晴らしい学習サイト、ありがとうございます。いつも活用しております。誤字だと思われる点のご報告です。
漸近線の方程式(3)の以下の部分
“例えば,y=q が漸近線であるとき,x のどのような値に対しても y=q となるることはない.”
【なるる】とありますが、【なる】かと思われますが、いかがでしょうか。
■[個別の頁からの質問に対する回答][分数関数について/17.5.30]
=>[作者]:連絡ありがとう.訂正しました. 分数関数の問題4は絶対値があって、どう場合分けしたらhelp通りのグラフになるか分かりません。宜しくお願いします。
■[個別の頁からの質問に対する回答][分数関数について/17.2.26]
=>[作者]:連絡ありがとう.問題4の(2)は場合分けした答案がついているので,(1)の話として答えます. のグラフはそこに書いてあるグラフになるので,そのうちの負の部分の符号を変えるということです.(実際には,のとき負になるから符号が変わります.) ※xの値に応じて(木を見て)場合分けしようと考えているのは理解できますが,(森)を一目見れば直ちに分かります. (x-5)/(x-2)=3x+k というkが定数の式があり、この式の実数解の個数を求めるにはどうすればよいでしょうか?
分数関数と3x+kが一点で交わるようにするkを求める方法がわからず、解けません。
よろしくお願いします。
=>[作者]:連絡ありがとう.x−5=(x−2)(3x+k), (x≠2)として2次方程式の判別式で判断するとよいでしょう. 3x2+(k−7)x+(5−2k)=0 D=(k−7)2−12(5−2k) =…… =(k+11)(k−1) ア) k<−11, k>1 → ... イ)k=−11, 1 → ... ウ)−11<k<1 → ... ※x=2となることはない |