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約数の個数,約数の総和(入試問題)
確率の基本
確率の加法定理,余事象の確率
独立試行の確率,反復試行の確率
期待値
条件付き確率
確率の乗法定理
センター問題(1)
同(2)
同(3)
同(4)
ベイズの定理
条件付き確率(入試問題)
仮説検定

■期待値≪解説≫
《要点》
変数 x1 x2 xn
確率 p1 p2 pn 1
【期待値】
(1) 初めに右のような表を作る.
(2) 変数×確率の積を作る.
xkpk

(3) それらの合計が期待値
E=x1p1+x2p2+ ··· +xnpn
(解説)
 期待値とは,小中学校以来使っている用語で言えば,平均値のことである.

 右の例を一般化して,次の表から平均値(=期待値)を求めるには次のようにすればよい.
変数 x1 x2 xn
度数 f1 f2 fn N
確率 .f1Nn .f2Nn .fnNn 1
f は頻度(度数) frequency の頭文字

 得点合計は S=x1f1+x2f2+ ··· +xnfn
 期待値(=平均値)は

____________E=.x1f1+x2f2+_···_+xnfnNnnnnnnnnnnnnnnnnnn

____________=x1.f1Nn+x2.f2Nn+…xn.fnNn


この式は確率 pk=.fkNn を用いて次のように書ける.

____________E=x1p1+x2p2+ ··· +xnpn

※ 期待値は Expectation の頭文字をとって E で表わされることが多い.


得点 X 10 20 30 40 50
人数 n 4 8 16 8 4 N=
40
確率 P .440nn .840nn .1640nn .840nn .440nn 1
【例】
 次の表はある試験を受けた40人の生徒の得点と人数の一覧表であるとする.


○ この40人の得点の平均値は次のようにして求められる.
10点の人が4人いるから,これらの小計は 10+10+10+10=10×4
20点の人が8人いるから,これらの小計は 20+20+…+20=20×8
………
50点の人が4人いるから,これらの小計は 50+50+50+50=50×4
 合計は 10×4+20×8+30×16+40×8+50×4

 合計を総人数で割れば平均値になるから
 平均値は E=.10×4+20×8+30×16+40×8+50×440nnnnnnnnnnnnnnnnnnnnnnnnnnn


○ 人数(度数)と確率には次の関係がある.
 人数を総人数Nで割ったものは確率になる.(相対度数とも呼ばれる.ただし,同様な確からしさは満たされているものとする.)
 たとえば・・・40人のうち4人が10点のとき,1人抽出された者が10点である確率は .440nn

○ 上の計算は人数 n を使って行ったが,この計算は確率 p を使えば次のように書ける.
E=10×.440nn+20×.840nn+30×.1640nn+40×.840nn+50×.440nn

⇒ まとめ: 得点1×確率1得点2×確率2得点3×確率3+・・・ が平均値になる.

賞金(円) 10 20 30 40
本数 4 3 2 1 10
例題1
 あるくじの賞金と本数は右の表のようになっている.このくじを1本引くときの賞金の期待値を求めよ.

(答案)
○ 単に平均値と考えるときは,次の計算になる.
合計は 10×4+20×3+30×2+40×1=200(円)
   平均値は .20010nnn=20(円)

○ 期待値の計算では,まず次の表を作る.
賞金(円) 10 20 30 40
確率 .410nn .310nn .210nn .110nn 1
次に,変数×確率を足していく.
期待値 E=10×.410nn+20×.310nn+30×.210nn+40×.110nn=4+6+6+4=20(円)

例題2
 さいころを投げて出た目の10倍の金額をもらえることにしたとき,このさいころを1回投げたときにもらえる金額の期待値を求めよ.
(答案)
 表が書いてない → 表を作る.
出た目 1 2 3 4 5 6  
金額 10 20 30 40 50 60
確率 .16n .16n .16n .16n .16n .16n 1

次に,変数×確率を足していく.この問題では,変数は「出た目」ではなくその10倍
期待値 E=10×.16n+20×.16n+30×.16n+40×.16n+50×.16n+60×.16n=35

例題3
 赤玉4個白玉3個の計7個が入っている袋から,3個の玉を同時に取り出すとき,出てくる赤玉の個数の期待値を求めよ.
(答案)
 表が書いてない → 表を作る.個々の確率は「気長に,ていねいに」計算する.・・・この数字を埋めるのが山場.
赤玉の個数 0 1 2 3
確率 .3C37C3nnn

=.135nn
.4C1·3C27C3nnnnnn

=.1235nn
.4C2·3C17C3nnnnnn

=.1835nn
.4C37C3nnn

=.435nn
1
次に,変数×確率を足していく.
期待値 E=0×.135nn+1×.1235nn+2×.1835nn+3×.435nn=.127nn


≪問題1≫
賞金
(円)
100 500 1000
本数 70 20 10 100
 あるくじの賞金と本数が右のように決められているとき,このくじを1本引いたときの賞金の期待値を求めよ.


150(円) 250(円) 270(円) 750(円)


≪問題2≫
1個のさいころを投げるとき,出た目の数の期待値を求めよ.

32 2 52 3 72


≪問題3≫
赤玉3個白玉2個の計5個が入っている袋から同時に2個の玉を取りだすとき,その中に含まれる赤玉の個数の期待値を求めよ.




≪問題4≫
2つのサイコロを投げて出た目の数をx , y とするとき,|x−y|の期待値を求めよ.



≪問題5≫
100円硬貨1枚と10円硬貨2枚の計3枚を投げて表を向いた硬貨の金額がもらえるとき, もらえる金額の期待値を求めよ.

40(円) 50(円) 60(円) 70(円) 110(円)


≪問題6≫
3人で1回じゃんけんをするとき,勝者の人数の期待値を求めよ.

0.5(人) 1(人) 1.5(人) 2(人) 2.5(人)



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■[個別の頁からの質問に対する回答][期待値について/17.5.29]
期待値の問題(3)についてhelpの赤1、白1はなぜ6/10なのでしょうか。
=>[作者]:連絡ありがとう.計算の根拠はhelpに示した通りですが,6/10をなぜ3/5にしないのかという質問でしたら,約分してから通分するのなら何も触らない方が間違いが少ないからです.
■[個別の頁からの質問に対する回答][期待値について/17.3.18]
訂正です。確率/期待値/問5 のhelpについて 『…100硬貨が裏、100円硬貨のうち1枚が表、1枚が裏→10円となる確率は…』とありますが、 正しくは、『…100硬貨が裏、【10】円硬貨のうち1枚が表、1枚が裏→10円となる確率は…』ではないでしょうか? いつもお世話になっています。ありがとうございます。
=>[作者]:連絡ありがとう.入力ミスですので訂正しました.

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