![]() ![]() *** 大区分 *** 数Ⅰ・A数Ⅱ・B数Ⅲ高卒・大学初年度 *** 中区分 *** ベクトル・行列連立方程式複素数関数・数列微分積分微分方程式統計maxima ※高卒から大学初年度レベルの「積分」について,このサイトには次の教材があります.
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○ 【1変数の場合を振り返ってみる】
置換積分の公式b∫a f(x)dx=β∫α f(g(t)) g’(t)dt
この公式が成り立つためには,その区間において「1対1の対応であること」「積分可能であること」など幾つかの条件を満たしていなけばならないが,これは満たされているものとする.
においては,
のように,積分区間,被積分関数,積分変数の各々を対応するものに書き換えることによって,変数変換を行うことができます. その場合において,積分変数dxは,単純にdtに変わるのではなく,図1に示されるようにg’(t)dtに等しくなります.
図1
![]() (縦の長さ)=(横の長さ)×(傾き) になる. ![]() ![]() つまりΔx≒g’(t)Δt 極限移項したときの記号としてdx=g’(t)dt
○ 【2変数の重積分の場合】
重積分∫∫D f(x,y)dxdyにおいて,積分変数x, yを ![]() y=y(u, v)
図2のように
(dx, 0)は(
【要点】
![]() ![]() ![]() ![]()
図2
このとき,図3のように面積要素は
dxdy=|![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]()
x=x(u,v), y=y(u,v)により,xy平面上の領域Dがuv平面上の領域Eに移されるとき
面積要素は|det(J)|倍になる.ヤコビアンの絶対値を|det(J)|で表すと |det(J)|=| ![]() ![]() ![]() ![]() ∫∫D f(x,y)dxdy=∫∫E f(x(u,v),y(u,v))|det(J)|dudv
この公式が成り立つためには,その領域において「1対1の対応であること」「積分可能であること」など幾つかの条件を満たしていなけばならないが,これは満たされているものとする.
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【2つのベクトルで作られる平行四辺形の面積】
(解説)次の図のような2つのベクトル→p =(a, b), →q =(c, d)で作られる平行四辺形の面積Sは S=|ad−bc| で求められます. ![]() Sは ![]() S=|→p||→q|sinθ …(1) において,ベクトルの内積と角度の関係式 →p · →q =ac+bd=|→p||→q|cosθ …(2) から,cosθを求めて sinθ= ![]() に代入すると(途中経過省略) S= ![]() = ![]() =|ad−bc| となることを示すことができます.
【用語と記号のまとめ】
ヤコビ行列 J= ![]() ![]() ヤコビアン det(J)= ![]() ![]() ヤコビアンの絶対値 |det(J)|=| ![]() ![]() ![]() ![]() |
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【例1】
![]()
x=rcosθ, y=rsinθ
だから ![]() ![]() ![]() ![]() det(J)=cosθ·rcosθ−(−rsinθ)·sinθ =rcos2θ+rsin2θ=r (>0) したがって ∫∫D f(x,y)dxdy=∫∫E f(x(r,θ),y(r,θ))·r·drdθ |
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【例2】
重積分∫∫D (x+y)2dxdy (D : 0≦x+y≦1, |x−y|≦1) を変数変換u=x+y, v=x−yを用いて行うとき,
E : 0≦u≦1, −1≦v≦1
1∫−1x= ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() det(J)= ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() だから |det(J)|= ![]() ∫∫D (x+y)2dxdy=∫∫E u2 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() |
問1次の重積分を計算してください.
1∫∫D ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]()
極座標x=rcosθ, y=rsinθに変換すると,
D : x2+y2≦1 → E : 0≦r≦1, 0≦θ≦2π
∫∫D![]() ![]() ![]() ![]() det(J)=cosθ·rcosθ−(−rsinθ)·sinθ =rcos2θ+rsin2θ=r (>0) ![]() 1∫0 r2dr=[ ![]() ![]() 2π∫0 ![]() ![]() ![]() → 4 ※変数をx,yのままで積分を行うには, ![]() ![]() ![]() |
問2次の重積分を計算してください.
1∫∫D x dxdy(D :0≦x+y≦1, 0≦x−y≦1) ![]() ![]() ![]() ![]() ![]()
u=x+y, v=x−yにより変数変換を行うと,
E : 0≦u≦1, 0≦v≦1
x= ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() det(J)= ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() だから |det(J)|= ![]() ∫∫D x dxdy=1∫01∫0 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() |
問3次の重積分を計算してください.
1∫∫Dcos(x2+y2)dxdy( D : x2+y2≦ ![]() ![]() ![]() ![]() ![]()
極座標x=rcosθ, y=rsinθに変換すると,
D : x2+y2≦
∫∫D cos(x2+y2)dxdy=2π∫0![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() det(J)=cosθ·rcosθ−(−rsinθ)·sinθ =rcos2θ+rsin2θ=r (>0) ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() 2π∫0 ![]() ![]() → 3 |
問4
D : |x−y|≦2, |x+2y|≦1において,次の重積分を計算してください.
∫∫D{(x−y)2+(x+2y)2}dydx
1![]() ![]() ![]() ![]() ![]()
u=x−y, v=x+2yにより変数変換を行うと,
E : −2≦u≦2, −1≦v≦1
2∫−2{u2+v2}x= ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() det(J)= ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() だから |det(J)|= ![]() ∫∫D{(x−y)2+(x+2y)2}dydx =1∫−12∫−2{u2+v2} ![]() ![]() ![]() = ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() |
![]() ![]() |
■[個別の頁からの質問に対する回答][重積分:変数変換.ヤコビアンについて/18.9.23]
素朴な疑問なんですが、この変数変換って、離散的な関数に対しては同じようなことってできないんですかね?重和分するときの自由度って連続なときよりも低いんですかね?どう思われますか?
■[個別の頁からの質問に対する回答][重積分:変数変換.ヤコビアンについて/18.1.30]
=>[作者]:連絡ありがとう.この教材は,大学初年度レベルの内容を取り扱ったものです.和分,差分というのは昔からある分野なので,何か確立された公式的なものがあるはずです.見つからない項目については,自分で作っていくことになります. 二重積分の応用の例題も作ってもらえると助かります。しかし、テストでは非常に助かりました。
■[個別の頁からの質問に対する回答][重積分:変数変換.ヤコビアンについて/17.7.22]
=>[作者]:連絡ありがとう.一歩踏み出せば,果てしなき応用の世界が広がっているようですが・・・ 3変数はどのようにすればよいのでしょうか
■[個別の頁からの質問に対する回答][重積分:変数変換.ヤコビアンについて/17.7.20]
=>[作者]:連絡ありがとう.省略し過ぎで意味がつかみにくいですが,3変数の場合のヤコビアンはどうなりますかという質問でしたら 途中式も丁寧に挟まれており、旧変数←新変数の形など、単純に見えるが案外間違えていたり抜けてしまう過程などが明記されているので、最後まで立ち止まる事なく理解に徹することが出来ました。
■[個別の頁からの質問に対する回答][重積分:変数変換.ヤコビアン について/17.1.29]
=>[作者]:連絡ありがとう. 非常にわかりやすくて助かりました
■[個別の頁からの質問に対する回答][重積分.変数変換.ヤコビアンについて/17.1.22]
=>[作者]:連絡ありがとう. 問4のxに誤り.
x=1/3(2u+v)
=>[作者]:連絡ありがとう.その間違いを引きずってさらに2,3個の式がおかしかったので,併せて訂正しました. |
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