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数列の極限(∞/∞型)
無理式の極限-現在地
rnの極限
同(2)
漸化式と極限
無限級数
循環小数

== 無理式の極限 ==
【例1】
limn(n+1n)
のような数列の極限ではn+1がどんどん大きくなろうとしているのに対して,nが足を引っ張って小さくしようとしているので,「見かけ上」は

の形になっています.大きくする方と小さくする方のどちらが強いのか,そのままの形では判断できません.
 このような形の無理式の極限を求めるには
まず,次の展開公式を思い出します
(ab)(a+b)=a2b2
その応用として,次のように使えます
(ab)(a+b)=ab
初めの例では
(n+1n)(n+1+n)=(n+1)(n)
だから
n+1n=(n+1)(n)n+1+n=1n+1+n
 このように,根号を含んだ式の「分子を有理化」する
※印象に残りやすいように,あえて常識をひっくり返す言い方をすれば
「分母を無理化」する
と「根号を2乗してから引く式が出てくる」ので「根号の中身の引き算ができ」ます.
 この後,初めの式はlimnn+1=,limnn=
により,分母が無限大になるので
limn(n+1n)=limn1n+1+n=0
となって,極限が求まります.


【例2】
limn2n+1n+1
のような数列の極限では分子の2n+1がどんどん大きくなろうとしているのに対して,分母のn+1が足を引っ張って小さくしようとしているので,「見かけ上」は

の形になっています.大きくする方と小さくする方のどちらが強いのか,そのままの形では判断できません.
 このような形の無理式の極限を求めるには
 分子の最大項2nと分母の最大項nを直接比較できるように,分子,分子をそれぞれの最大項でくくります.
2n(1+12n)n(1+1n) =2nn1+12n1+1n
ここで,根号の割り算についての次の公式を思い出します(ただし,a>0,b>0
ab=ab
これにより,根号の中身同士が直接約分できるところがミソです
2nn=2nn=2
 この後,初めの式は
2nn=2,1+12n1,1+1n1
により
2nn1+12n1+1n2
になります.
 limnのままで変形していくと,答案は次のようになります
limn2n+1n+1=limn2n(1+12n)n(1+1n)
=limn2nn1+12n1+1n =limn2×1+12n1+1n=2
【ここまでの要約】
(1) n+an+b
のような ∞−∞ の形の数列の極限を求めるには,分子の有理化を行って,根号の中身の引き算ができるようにする.
(2) n+...+n+...n+...+n+...のようなの形の数列の極限を求めるには,分子,分母をそれぞれの最大項でくくって最大項同士の約分に持ち込む.

《問題》 第n項が次の式で表わされる数列の極限を下の選択肢から選びなさい.



[第1問 / 全10問]


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