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=傾きや曲線外の1点が与えられたときの接線の方程式=
(1) 楕円
x2a2+y2b2=1
の接線のうちで,傾きがmに等しい接線の方程式は
y=mx±a2m2+b2・・・(1)
(2) 双曲線
x2a2y2b2=1
の接線のうちで,傾きがmに等しい接線の方程式は
y=mx±a2m2b2・・・(2a)
x2a2y2b2=1
の接線のうちで,傾きがmに等しい接線の方程式は
y=mx±b2a2m2・・・(2b)
(3) 放物線
y2=4px
の接線のうちで,傾きがm (≠0)に等しい接線の方程式は
y=mx+pm・・・(3)
(証明)
(1)
求める接線の方程式をy=mx+kとおき,連立方程式
x2a2+y2b2=1・・・(1)
y=mx+k・・・(2)
x座標について重解をもつように,判別式についてD=0となる条件を求めるとよい.
(2)を(1)に代入すると
x2a2+(mx+k)2b2=1
b2x2+a2(m2x2+2mkx+k2)=a2b2
(a2m2+b2)x2+2a2mkx+a2k2a2b2=0
D=a4m2k2(a2m2+b2)(a2k2a2b2)
=a4m2k2a4m2k2+a4m2b2a2b2k2+a2b4
=a2b2(a2m2k2+b2)=0
ここでa2b20だから
k2=a2m2+b2
k=±a2m2+b2・・・(1) 証明終_∎

(2a)
求める接線の方程式をy=mx+kとおき,連立方程式
x2a2y2b2=1・・・(3)
y=mx+k・・・(4)
x座標について重解をもつように,判別式についてD=0となる条件を求めるとよい.
(4)を(3)に代入すると
x2a2(mx+k)2b2=1
b2x2a2(m2x2+2mkx+k2)=a2b2
(a2m2b2)x2+2a2mkx+a2b2+a2k2=0
ここで,a2m2b2=0のときは,xの1次方程式となって,重解をもたなくなるから,a2m2b20の場合を考える.
D=a4m2k2(a2m2b2)(a2b2+a2k2)
=a4m2k2a4m2b2a4m2k2+a2b4+a2b2k2
=a2b2(a2m2+b2+k2)=0
ここでa2b20だから
k2=a2m2b2
k=±a2m2b2・・・(2a) 証明終_∎
ここで,a2m2b2<0のときは,kが実数でなくなるから,a2m2b2>0が条件となる.すなわち,m∣>∣baの場合だけ接線が求まる.
(2b)も,同様にして証明できる.
(3)
求める接線の方程式をy=mx+kとおき,連立方程式
y2=4px・・・(5)
y=mx+k・・・(6)
x座標について重解をもつように,判別式についてD=0となる条件を求めるとよい.
(6)を(5)に代入すると
(mx+k)2=4px
m2x2+2(mk2p)x+k2=0
D=(mk2p)2m2k2=4p(mkp)=0
ここでm,p0だから
k=pm・・・(3)証明終_∎

【例題1.1】
 楕円x24+y29=1の接線で傾きが2に等しいものの方程式を求めてください.
(解答)
公式(1)にa=2,b=3,m=2を代入すると
y=2x±5・・・(答)
※公式を覚えていなくても,判別式を使って自分で計算すれば数分でできる.
【例題1.2】
 楕円x29+y216=1の互いに垂直な2つの接線の交点の軌跡を求めてください.
(解答)
x29+y216=1の傾きmの接線の方程式をy=mx+kとおくと,(1)の公式により
y=mx±9m2+16・・・①
が成り立つ.①を満たす2つのmの値を,m1, m2とすると,m1, m2は,mに関する2次方程式
(ymx)2=9m2+16
の2つの解になる.
(x29)m22xym+(y216)=0・・・②
②式が異なる2つの実数解m1, m2をもつとき,解と係数の関係から
ア)座標軸に平行な接線があるときは,接線の方程式は,x=±3,y=±4で,交点の座標は(±3,±4)
イ)座標軸に平行な接線ではないとき,交点のx座標はx≠±3
m1m2=y216x29=1
y216=x2+9
x2+y2=9+16=25
ア)はイ)の円上のx=±3となる除外点を埋めているから,結局,x2+y2=25の円全体が軌跡になる.・・・(答)


【例題1.3】
 楕円x24+y29=1と傾き2の直線が異なる2点で交わるとき,2交点の中点の軌跡を求めてください.
(解答)
 連立方程式
x24+y29=1・・・(1)
y=2x+k・・・(2)
が異なる2つの実数解をもつように,交点のx座標の判別式についてD>0とする.
 (2)を(1)に代入すると
x24+(2x+k)29=1
9x2+4(2x+k)2=36
25x2+16kx+(4k236)=0・・・(3)
D=(8k)225(4k236)
=36(25k2)>0
 異なる2点で交わるのは
5<k<5・・・(4)のとき
 このとき,2交点の座標を(x1,y1),(x2,y2),その中点の座標を(x,y)とおくと,(3)の解と係数の関係から
x=x1+x22=825k・・・(5)
y=2x+k=1625k+k=925k・・・(6)
(5)(6)から求める軌跡の方程式は
y=98x
ただし,(4)から,
85<x<85
の範囲・・・(答)
【例題1.4】
 点(3, 4)から楕円x29+y24=1に引いた接線の方程式を求めてください.
(解答)
 接点(3, 0)で接する接線x=3は題意に適する.
 x軸に垂直でない接線の方程式を,(1)を使って,y=mx±9m2+4とおくと,この直線が点(3, 4)を通るには
4=3m±9m2+4
(43m)2=9m2+4
1624m+9m2=9m2+4
12m=12
m=12
求める接線の方程式は
y=12x±94+4=12x±254
=12x±52
 これらのうちで,y=12x+52は点(3, 4)を通るが,y=12x52は点(3, 4)を通らない.
x=3,y=12x+52・・・(答)

【例題1.5】
 楕円x24+y29=1上の1点から,直線y=2x+6に降ろした垂線の長さの最小値を求めてください.
(解答)
傾き2で楕円x24+y29=1に接する接線の方程式をy=2x±22×22+9=2x±5とおく.この直線上の適当な点,例えば(0, 5), (0, −5)と直線y=2x+6 ⇔ 2x−y+6=0の距離を,公式
|ax1+by1+c|a2+b2
のよって求めると
|05+6|22+12=15
|0+5+6|22+12=115
となるから,最小値は15・・・(答)
【例題2.1】
 双曲線x24y29=1の接線で傾きが2に等しいものの方程式を求めてください.
(解答)
公式(2a)を使うと
y=2x±22×2232=2x±7・・・(答)

【例題2.2】
 双曲線x24y29=1と直線y=2x+kが共有点をもつような定数kの値の範囲を求めてください.
(解答)
 連立方程式
x24y29=1・・・(1)
y=2x+k・・・(2)
が実数解をもつように,判別式を用いてkの値の範囲を求める.
 (2)を(1)に代入すると
x24(2x+k)29=1
9x24(2x+k)2=36
7x2+16kx+(4k2+36)=0・・・(3)
D=(8k)27(4k2+36)
=36(k27)0
k270
k7またはk7・・・(答)
【例題2.3】
 点(2, 4)から双曲線x24y29=1に引いた接線の方程式を求めてください.
(解答)
 まず,x軸に垂直な直線x=2が接線であることが明らか.
 それ以外のy=mx+kの形の接線は,公式(2a)から
y=mx±4m29
m32またはm32
と書ける.この接線が,点(2, 4)を通るから
42m=±4m29
ア) m32かつm≧2,すなわち,m≧2のとき
42m=4m29(0)
の両辺を2乗すると
1616m+4m2=4m29
16m=25
m=2516(<2)
となって,条件を満たさない
イ) (m32またはm32)かつm<2,すなわち,m32または32m<2のとき
42m=4m29(>0)
の両辺を2乗すると
1616m+4m2=4m29
16m=25
(32)m=2516(<2)
となって,条件に適する.
y4=2516(x2)
25x16y+14=0
以上から,25x16y+14=0,x=2・・・(答)

(別解)
接点の座標を(s, t)とおくと,接線の方程式は
sx4ty9=1・・・(1)
この直線が点(2, 4)を通るから
2s44t9=1・・・(2)
また,(s, t)は双曲線上にあるから
s24t29=1・・・(3)
(2)(3)を連立方程式として解くと[途中経過は各自で確かめてください]
s=2,t=0およびs=507,t=727
これらを(1)に戻すと
25x16y+14=0,x=2・・・(答)
【例題2.4】
 双曲線x24y29=1上の任意の点Pにおける接線が2つの漸近線と交わる点をQ, Rとするとき,PQ=PRとなることを証明してください.
(解答)
 接点をP(s, t)とおくと,接線の方程式は
sx4ty9=1・・・(1)
ただし,接点P(s, t)は双曲線上にあるから
s24t29=1・・・(2)
9s24t2=36
(3s2t)(3s+2t)=36(0)・・・(2’)
が成り立つ.
 (1)と漸近線の方程式
y=32x・・・(3)
y=32x・・・(4)
との交点の座標を求める.
(1)(3)から
sx4ty9=1・・・(1)
y=32x・・・(3)
(3)を(1)に代入
sx4t932x=1
3sx2tx=12
x1=123s2t・・・(5)
・・・ (2’)により分母は0にならない.
これをQx座標とする.
同様にして,(1)(4)から
sx4ty9=1・・・(1)
y=32x・・・(4)
(4)を(1)に代入
sx4t9(32x)=1
3sx+2tx=12
x2=123s+2t・・・(6)
・・・ (2’)により分母は0にならない.
これをRx座標とする.
(5)(6)からQ, Rの中点のx座標を求めると
x1+x22=12(123s2t+123s+2t)
=36s9s24t2
ところで,(2’)から
9s24t2=36
だから,結局
x1+x22=s
が成り立つ.直線であるから,Q, Rの中点のx座標がPx座標に等しければ,y座標についても成り立つ.
 以上により,PQ=PRが成り立つ.・・・証明終■
この問題では,双曲線x24y29=1について示したが,この性質は一般の双曲線x2a2y2b2=1についても示せる.

【例題2.5】
 双曲線x29y24=1上の1点から直線y=x+1に降ろした垂線の長さの最小値を求めてください.
(解答)
公式(4.2a)により,x29y24=1の接線のうちで,傾きが1に等しい接線の方程式は
y=x±94=x±5
(これらは右図の②③に対応する)
右図①に対応する直線y=x+1から②または③までの最短距離を求めるとよいが,②の方が短い.
そこで,y=x+1上の適当な1点,例えば(0, 1)から直線y=x+5までの距離を求めると
|01+5|12+12=512=1022・・・(答)
【例題3.1】
 放物線y2=8xの接線で傾きが2に等しいものの方程式を求めてください.
(解答)
公式(3)において,p=2, m=2とすると
y=2x+1・・・(答)

【例題3.2】
 放物線x2=8yの接線で傾きが2に等しいものの方程式を求めてください.
(解答)
求める接線の方程式をとおき,連立方程式
x2=8y・・・(1)
y=2x+k・・・(2)
x座標について重解をもつように,判別式についてD=0となる条件を求めるとよい.
(2)を(1)に代入すると
x2=8(2x+k)
x216x8k=0
D=64+8k=0
k=8
したがって
y=2x8・・・(答)
【例題3.3】
 放物線y2=8xと傾き2の直線が異なる2点で交わるとき,2交点の中点の軌跡を求めてください.
(解答)
 連立方程式
y2=8x・・・(1)
y=2x+k・・・(2)
が異なる2つの実数解をもつように,判別式を用いてkの値の範囲を求める.
 また,そのとき,解と係数の関係を用いて,2交点の中点の座標を求める.
 (2)を(1)に代入する
(2x+k)2=8x
4x2+4(k2)x+k2=0・・・(3)
(3)について,判別式が正となる条件は
D=22(k2)24k2=16k+16>0
k<1・・・(4)
 また,(3)について,解と係数の関係から,2交点の中点の座標は
x=x1+x22=4(k2)8=k22・・・(5)
y=2x+k=2
 なお,(4)(5)から,x>12
 以上により,y=2(x>12)・・・(答)
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