◎
…高校生が公式としてすぐに使える方がよいもの
○ …高校生として結果を覚えている必要はないが,問題として出されたらできるはずのもの
□ …ヒントなしで高校生に直接問われることはないもの
a, b, c, C …定数f(x), g(x), p(x), q(x) …関数 m, n … 整数の定数(正の整数だけを表す場合は,その式の但し書きに示す)
※この頁はまとめの頁なので,ほとんどの公式について証明を 付けていない.証明が必要な場合は,基本事項を解説している 前の頁を見るか,または,右辺の関数を微分してみるとよい. 特に,合成関数の微分法が必要になります.↓ ≪V≫三角関数の不定積分
◎V.1sinx dx=−cosx+C
cosx dx=sinx+C tanx dx=−log|cosx|+C
◎V.2sinax dx=−cosax+C (a≠0)
cosax dx=sinax+C (a≠0) tanax dx=−log|cosax|+C (a≠0)
◎V.3sin(ax+b)dx=−cos(ax+b)+C (a≠0)
cos(ax+b)dx=sin(ax+b)+C (a≠0) tan(ax+b)dx=−log|cos(ax+b)|+C (a≠0) |
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○V.4sin2x dx=−+C…(*1)
(解説)cos2x dx=++C…(*2) tan2x dx=tanx−x+C…(*3) (*1)← 半角公式(2倍角公式)により sin2α=(1−cos2α)だから sin2x dx=(1−cos2x)dx=−+C (*2)← 半角公式(2倍角公式)により cos2α=(1+cos2α)だから cos2x dx=(1+cos2x)dx=++C (*3)← 三角関数の相互関係から sin2α+cos2α=1 → tan2α+1= → tan2α=−1だから tan2x dx=(−1)dx ところで (tanx)=だからdx=tanx+C tan2x dx=tanx−x+C
a≠0のとき
○V.5sin2ax dx=−+C…(*1)
(解説)cos2ax dx=++C…(*2) tan2ax dx=−x+C…(*3) 各々t=axとおいて置換積分すれば,上記のV.4に帰着される. |
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※解説は何回見ても構いません. (何度も見る方がしっかりと記憶できるでしょう.) 軽くチェック↓解説を読む↑
はじめに左欄の問題を選択して,続けて右欄の解答を選択してください.やり直すときは,問題を選び直すことからはじめてください.
【問題1】
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【問題3】
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○V.6cosecx dx=dx
=log()+C=log|tan|+C…(*1) secx dx=dx =log()+C=log||+C…(*2) cotx dx=dx =log|sinx|+C…(*3) (解説) (*1)←
t=cosxとおくと
=−sinx dx=−
dx=dx=dx =−= =(−)dt =(log|t−1|−log|t+1|)+C
1−cosx≧0 , 1+cosx≧0
=log||+Cだから絶対値記号は不要 =log()+C ここで,半角公式(2倍角公式により) =sin2 , =cos2 だから log()+C =log(tan2)+C=log|tan|+C (*2)←
t=sinxとおくと
=cosx dx= dx=dx=dx ==− =−(−)dt =−(log|t−1|−log|t+1|)+C =(log|t+1|−log|t−1|)+C
1−sinx≧0 , 1+sinx≧0
=log||+Cだから絶対値記号は不要 =log()+C (*3)← dx=dx=dx =log|sinx|+C
○V.7cosec2x dx=dx
(解説)=−cotx+C=−+C…(*1) sec2x dx=dx =tanx+C…(*2) cot2x dx=dx =−cotx−x+C=−−x+C…(*3) (*1)← ()=()= =− だから dx=−+C (*2)← (tanx)=()== だから dx=tanx+C (*3)← 三角関数の相互関係により sin2x+cos2x=1 両辺をsin2xで割ると 1+= dx=(−1)dx (*1)の結果により,これは次の形に書ける. −−x+C |
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○V.8dx=+C…(*1)
(解説)dx=+C…(*2) dx=+C=tan+C…(*3) dx=−+C=−cot+C…(*4) dx=(x+log|sinx+cosx|)+C…(*5) dx=(x−log|sinx−cosx|)+C…(*6) (*1)← dx=dx=dx =dx−dx V.7(*2)により dx=tanx+C’ また
t=cosxとおくと
dx=−sinx dx=− =−=−dt=+C” =+C” ゆえに dx=tanx−+C=+C (*2)←符号を変えると,同様にして示される. (*3)← dx=dx=dx =dx−dx V.7(*1)により dx=−+C’ また
t=sinxとおくと
dx=cosx dx= ==dt=−+C” =−+C” ゆえに dx=−++C=+C この式は,tanを使って表すこともできる. 2倍角公式により
≪よく使う≫
上の公式により
==t=tantanx= sinx=2sincos=2tancos2=2tcos2= cosx=2cos2−1=−1= (*4)←(*3)の符号を変えると,同様にして示される. (*5)← dx=dx=Iとおく dx=Jとおく I+J=dx=dx=x+C’ I−J=dx=dx =log|sinx+cosx|+C” これらの和を求めると 2I=x+log|sinx+cosx|+C I=(x+log|sinx+cosx|)+C (*6)←(*5)の符号を変えると,同様にして示される. |
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※解説は何回見ても構いません.(何度も見る方がしっかりと記憶できるでしょう.) 軽くチェック↓解説を読む↑ ←上の解説「そのまんま」の問題であるが,意外にできない!(計算用紙が必要)
はじめに左欄の問題を選択して,続けて右欄の解答を選択してください.やり直すときは,問題を選び直すことからはじめてください.
【問題4】
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○V.9 a≠±bのとき
(解説)
sinaxsinbx dx=−+C…(*1)
a=bのときは(a=−bのときも)V.5(*1)(*2)の形になる(再掲)sinaxcosbx dx=−−+C(*2) cosaxcosbx dx=++C(*3) ○V.5a≠0のとき sin2ax dx=−+C…(*1) cos2ax dx=++C…(*2)
積を和に直す公式を用いて,被積分関数を変形します.
(*1)←sinαsinβ={ cos(α−β)−cos(α+β) } sinαcosβ={ sin(α+β)+sin(α−β) } cosαcosβ={ cos(α+β)+cos(α−β) } sinaxsinbx dx ={ cos(a−b)x−cos(a+b)x }dx ={ − }+C =−+C (*2)(*3)←上記の積を和に直す公式により同様にして示される. (*4)←V.4(*1)と同様に,半角公式(2倍角公式)を用いて被積分関数を変形すればできる. sin2ax dx=(1−cos2ax)dx =−+C |
○V.10 a≠0 , n≠0のとき
(解説)sinnaxcosax dx=+C…(*1) sinaxcosnax dx=−+C…(*2)
t=sinaxとおいて置換積分すると
=acosax
dx= (*1)← sinnaxcosax dx =tncosax dt =tndt=+C =+C
t=cosaxとおいて置換積分すると
=−asinax
dx=− (*2)← cosnaxsinax dx =−tnsinax dt =−tndt=−+C =−+C |
○V.11 a≠0 , n≧2のとき
(解説)In=sinnax dxとおくと In=−+In−2…(*1)
これにより
I0←I2←I4←I5←... I1←I3←I5←I7←... の2つの系列に分けて,順次nの小さな値で表すことができ, I0= dx=x+C I1=sinax dx=−+C に帰着させることができる.(この漸化式は,一般項を求めずに,順次使う.) Jn=cosnax dxとおくと Jn=+Jn−2…(*2)
これにより
J0←J2←J4←J5←... J1←J3←J5←J7←... の2つの系列に分けて,順次nの小さな値で表すことができ, J0= dx=x+C J1=cosax dx=+C に帰着させることができる.(この漸化式は,一般項を求めずに,順次使う.) (*1)← In=sinn−1axsinax dxと分けると
=−+(n−1)sinn−2ax(1−sin2ax)dx =−+(n−1)sinn−2ax dx −(n−1)sinnax dx In=−+(n−1)In−2−(n−1)In nIn=−+(n−1)In−2 したがって In=−+In−2 (*2)←同様にして示される. |
○V.12 a≠0 , n≧3のとき
(解説)Kn==sin−nax dx=I−nとおくと Kn=−+Kn−2…(*1)
これにより
K1←K3←K5←... K2←K4←K6←... の2つの系列に分けて,順次nの小さな値で表すことができ, K1=dx=log|tan|+C K2=dx=−+C に帰着させることができる.(この漸化式は,一般項を求めずに,順次使う.) Ln==cos−nax dx=J−nとおくと Ln=+Ln−2…(*1)
これにより
L1←L3←L5←... L2←L4←L6←... の2つの系列に分けて,順次nの小さな値で表すことができ, L1=dx=log||+C L2=dx=tanx+C に帰着させることができる.(この漸化式は,一般項を求めずに,順次使う.) (*1)← 上記のV.11(*1)の解説を見るとn, n−2が0をまたがない限りn<0の場合でも成り立つことがわかる. n≧2のとき Kn==sin−nax dx=I−n I−m=−+I−m−2 だから Km=+Km+2 Km=+Km+2 ここでは,mの大きな値の式を小さな値の式で表したいから,逆に解くと Km+2=−+Km n=m+2とおいてm+2→mの関係をn→n−2の関係に直すと Kn=−+Kn−2 (*2)←同様にして示される. |
○V.13 a≠0 , m,n≧2のとき
(解説)I(m,n)=cosmaxsinnax dxとおくと I(m,n)=+I(m−2,n)…(*1) I(m,n)=−+I(m,n−2)…(*2)
これにより偶数の系列は
I(m,0)←I(m,2)←I(m,4)←I(m,6)←... または I(0,n)←I(2,n)←I(4,n)←I(6,n)←... のようにI(m,0)またはI(0,n)に帰着させれば,V.11により求められる. 奇数の系列になるときは I(m,1)←I(m,3)←I(m,5)←I(m,7)←... または I(1,n)←I(3,n)←I(5,n)←I(7,n)←... のようにI(m,1)またはI(1,n)に帰着させれば,V.10により求められる. (*1)← cosmaxsinnax dx=cosm−1ax×cosaxsinnax dx のように分けて,次のように部分積分を行う.
+(m−1)cosm−2ax×(−a)sinaxdx =+cosm−2axsinn+2axdx ここで cosm−2axsinn+2axdx =cosm−2ax(1−cos2ax)(sinnax)dx =( I(m−2,n)−I(m,n) ) だから I(m,n)=+I(m−2,n)−I(m,n) (1+)I(m,n)=+I(m−2,n) I(m,n)=+I(m−2,n) I(m,n)=+I(m−2,n) (*2)← cosaxとsinaxの立場を逆にすれば,同様にして示される. |
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※解説は何回見ても構いません.(何度も見る方がしっかりと記憶できるでしょう.) 軽くチェック↓解説を読む↑
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【問題5】
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【問題6】
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○V.14 xsinax dx=sinax−cosax+C…(*1)
(解説)xcosax dx=cosax+sinax+C…(*2) In=xnsinax dx , Jn=xncosax dx とおくと In=−xncosax+Jn−1…(*3) Jn=xnsinax−In−1…(*4)
これにより
I0←J1←I2←J3←... J0←I1←J2←I3←... の2つの系列に分けて,順次nの小さな値で表すことができ, I0=sinax dx=−+C J0=cosax dx=+C に帰着させることができる.(この漸化式は,一般項を求めようと欲張らずに,逐次次数を下げる方法で使う.) (*1)←
xsinax dx =f 'gdx=fg−fg'dx =−+dx =−+sinax+C (*2)←
xcosax dx =f 'gdx=fg−fg'dx =−dx =+cosax+C (*3)←
In=xnsinax dx =f 'gdx=fg−fg'dx =−+dx =−+Jn−1 |
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○V.15 dx , dx
(解説)は初等的に(有限回の変形と求積計算によっては)積分を求めることはできない.
sinx/xの方は,シンク関数(またはカーディナル・サイン )と呼ばれる.(工業分野では分母分子ともπxに変えたものが使われる.)
これらの積分が必要な場合は,次のように無限回の計算(無限級数)によって表したものを項別積分する. (有限回の演算ではできないが,無限回行えばできることに注意) =1−+−+...より dx=x−+−+... =−+−+...より dx=log|x|−+−+...
○V.16 Sn=dx , Cn=dx
(解説)とおくと, Sn=−+Cn−1…(*1) Cn=−−Sn−1…(*2) Sn , Cnは,この漸化式を用いて逐次次数nを下げることにより, S1=dx , C1=dx で表すことができる. ただし,上記のV15で述べたようにS1, C1はいずれも初等的には表せないから,これらも初等的に表せないことは同様であるが,これら2つを定義すれば,他の不定積分はすべてそれらで表されるという関係にある. (*1)←
Sn=dx =fg'dx=fg−f 'gdx =−dx =−+Cn−1 (*2)←同様にして示される. |
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【問題7】
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■[個別の頁からの質問に対する回答][不定積分(まとめ2・・・三角関数)について/17.3.13]
間違っていたらすいませんが、問題4の中の∫1/(1-cox)dxの回答は、-(1+cosx)/sinx ではないですか?これが正解なら右の回答欄に付け加えた方が良いと思います。
=>[作者]:連絡ありがとう.入力ミスですので訂正しました. |
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