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三角関数の積分公式
(解説)(1)sinxdx=−cosx+C
(1’)sinkxdx=−+C
(1”)sin(ax+b)dx=−+C
(2)cosxdx=sinx+C
(2’)coskxdx=+C
(2”)cos(ax+b)dx=+C
(3)tanxdx=−log|cosx|+C
(3’)tankxdx=−+C
(3”)tan(ax+b)dx=−+C
(1)← (cosx)=−sinx→(−cosx)=sinx sinxdx=−cosx+C (1’)← 合成関数の微分法により = y=cosu, u=kxとおくと =−sinu×k=−sinkx×k (coskx)=−sinkx×k (−)=sinkx したがって sinkxdx=−+C 同様にして, (1”) が得られる.
(ax+b)=aに注意 (定数項は消える).
(2)←したがって, −の分母にはbは含まれない. (sinx)=cosx cosxdx=sinx+C (2’)← y=sinu, u=kxとおくと =cosu×k=coskx×k (sinkx)=coskx×k ()=coskx したがって coskxdx=+C 同様にして, (2”) が得られる.
分母にはbがないことに注意.
|
(4)dx=−+C=−cotx+C
※今の高校の教科書では sinθ,cosθ,tanθまでは書かれていますが,それらの逆数cosecθ,secθ,cotθは書かれていないのが普通です.
(4’)dx=−+C=−+C
(4”)dx=−+C
(5)dx=tanx+C=−+C
(5’)dx=+C
(5”)dx=+C
【ポイント】読むときは「3文字目の逆数」と覚えます.自分が書く必要はなく,今まで通りに書けばよい.
自分が書くときは, などと書けば十分です. (3)←
log|x|=
(cosx)=−sinx
y=log|u|, u=cosxとおくと
==×(−sinx)=×(−sinx)=−tanx
(log|cosx|)=−tanx
(−log|cosx|)=tanx
tanxdx=−log|cosx|+C
(3’)←y=log|s|, s=cost, t=kxとおくと ==(−sint)×k=×(−sint)×k (log|coskx|)=−tankx×k (−)=tankx したがって tankxdx=−+C 同様にして, (3”)が得られる.
分母にはbがないことに注意.
(4)←
=cotx=
( )=
したがって
(cotx)==−
(−cotx)=
ゆえにdx=−cotx+C (4’)(4”) 略 (5)←
tanx=
( )=
だから
(tanx)==
ゆえにdx=tanx+C (5’)(5”) 略 |
例 (1’)sin2xdx=−+C (1”)sin(2x+1)dx=−+C (2’)cos2xdx=+C (2”)cos(2x+1)dx=+C |
(3’)tan2xdx=−+C (4’)dx=−+C (5’)dx=+C |
次の公式を用いると三角関数の積・平方をそれらの和・差に直して積分を求めることができる.
(A)sinαcosβ={sin(α+β)+sin(α−β)}
(B)cosαsinβ={sin(α+β)−sin(α−β)} (C)cosαcosβ={cos(α+β)+cos(α−β)} (D)sinαsinβ=−{cos(α+β)−cos(α−β)} (E)sin2α= (F)cos2α= (G)1+tan2α=→tan2α=−1→(5) (H)1+=→=−1→(4) |
例 (A)sin4xcos2xdx={sin6x+sin2x}dx ←(1’) ={−−}+C=−−+C (C)cos4xcos2xdx={cos6x+cos2x}dx ←(2’) ={+}+C=++C (D)sin4xsin2xdx=−{cos6x−cos2x}dx ←(2’) =−{−}+C=−++C (E)sin22xdx=dx=(x−)+C =x−+C (F)cos22xdx=dx=(x+)+C =x++C (G)tan22xdx=(−1)dx=−x+C
積分の方がtan2xの次数が低く見えて奇妙な感じを受けるが,これで正しい.
(H)dx=(−1)dx=−−x+C |
問題次の不定積分を求めてください. (解答は選択肢から選んでください. クリックすれば,採点結果と解説が出ます. 暗算では無理です.別途計算用紙が必要です.) ++C −+C +C −+C +C −+C |
(1’)sinkxdx=−+C
→sin3xdx=−+C
|
++C −+C +C −+C +C −+C |
(E)sin2α=
→sin23x=sin23xdx=()dx ←(2’) =(x−)+C=−+C |
++C −+C +C −+C +C −+C |
(4”)dx=−+C
→dx=−+C |
++C −+C +C −+C +C +C |
(2’)coskxdx=+C
→cos3xdx=+C |
++C −+C +C −+C +C +C |
(F)cos2α=
→cos23x=cos23xdx=dx ←(2’) =(x+)+C=++C |
++C −+C +C −+C +C +C |
(5”)dx=+C
→dx=+C |
+x+C −x+C +x+C −−x+C +C −+C |
(3’)tankxdx=−+C
→tan3xdx=−+C |
+x+C −x+C +x+C −−x+C +C −+C |
(G)1+tan2α=→tan2α=−1
→tan23xdx=(−1)dx ←(5’)=−x+C |
+x+C −x+C +x+C −−x+C +C −+C |
(log|sin3x|)=×cos3x×3=
→()=
→dx=+C
|
+x+C −x+C +x+C −−x+C +C −+C |
(H)1+=→=−1
→dx=(−1)dx ←(4’) =−−x+C |
++C −+C −++C ++C −+C −−+C |
(D)sinαsinβ=−{cos(α+β)−cos(α−β)}
→sin5xsinx=−{cos6x−cos4x} sin5xsinx dx=−{cos6x−cos4x}dx ←(2’) =−(−)+C=−++C |
++C −+C −++C ++C −+C −−+C |
(A)sinαcosβ={sin(α+β)+sin(α−β)}
→sin5xcosx={sin6x+sin4x} sin5xcosx dx={sin6x+sin4x}dx ←(1’) =(−−)+C=−−+C |
++C −+C −++C ++C −+C −−+C |
(C)cosαcosβ={cos(α+β)+cos(α−β)}
→cos5xcosx={cos6x+cos4x} cos5xcosx dx={cos6x+cos4x}dx ←(2’) =(+)+C=++C |
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■[個別の頁からの質問に対する回答][三角関数の不定積分について/18.9.5]
いつも参考になってます!
■[個別の頁からの質問に対する回答][三角関数の不定積分について/18.6.28]
=>[作者]:連絡ありがとう.「いつも参考になってます!」とは微妙な表現かな.主語は何かと一瞬詰まるが,すれすれセーフかな. 公式(4)の中に出てくるーcotとは−cosのことでしょうか?
■[個別の頁からの質問に対する回答][三角関数の不定積分について/18.5.28]
=>[作者]:連絡ありがとう.今の高校の教科書では sinθ,cosθ,tanθまでは書かれていますが,それらの逆数 cosecθ,secθ,cotθは書かれていないのが普通です.(学習指導要領からの逸脱と言われないように,言ってはならないと自己検閲してしまう)他方で,高専や大学では,そんなことは分かっていて当然という対応もあり,隙間が埋まらないことがあるようです.接続がスムーズに行くように,両方から手を差し伸べる方がよいように思いますが.
【ポイント】読むときは「3文字目の逆数」と覚えます.自分が書く必要はなく,今まで通りに書けばよい.
自分が書くときは, などと書けば十分です. 3が邪魔
■[個別の頁からの質問に対する回答][三角関数の不定積分について/17.8.7]
=>[作者]:連絡ありがとう.??それがないと sin kx, cos kxなどの練習にならない (5)←
非常に参考になりました。
ひとつ訂正箇所があるのですが、三角関数の不定積分の(5)で
tanx=sinxcosx
d/dx( f(x)g(x))=f’(x)g(x)−f(x)g’(x)/g(x)2
【だから d/dx(tanx)=cosxcosx−sinx(−cosx)/cos2x=1/cos2x】
とありますが
【だから d/dx(tanx)=cosxcosx−sinx(−sinx)/cos2x=1/cos2x】
ではないでしょうか。
■[個別の頁からの質問に対する回答][三角関数の不定積分について/16.12.8]
=>[作者]:連絡ありがとう.訂正しました. 非常に分かりやすく、やりがいのあるwebです。
=>[作者]:連絡ありがとう. |