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2次関数のグラフ(入門)
2次関数のグラフ[標準形]
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2次関数(3点→頂点)
2次関数の入試問題1
2次関数.2次方程式.センター問題

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== 2次関数のグラフと係数の符号 ==

図1 y x 0
 2次関数y=ax2+bx+cのグラフが右図のように与えられているとき,係数 a, b, cなどの符号を,次のように求めることができます.
aの符号
 aの値は「グラフの形」によって決まり,特にaの符号は,グラフが下に凸(谷形)のときa>0,グラフが上に凸(山形)のときa<0になります.
【例】
y=2x2
【例】
y=−2x2

図1のグラフは,下に凸になっていますので,a>0です.
** 凸とは,どこを見るのか? **
直線で切ったとき,直線よりも下に「ふくらんでいる」のが下に「凸」

点線で示した耳の形を見るのではない
直線で切ったとき,直線よりも上に「ふくらんでいる」のが上に「凸」

点線で示した両足の形を見るのではない

cの符号
 y=ax2+bx+cのグラフで,x=0のときy=cになります.すなわち,y軸との交点のy座標がcになります.
図1のグラフでは,c<0です.(青●で示した点のy座標)

bの符号
 bの符号は,グラフを見ただけでは判断できず,「aの符号」と「頂点のx座標」の両方から計算で求めなければなりません.
図2 y x 0 x=1 y=x2−2x+2 y=−x2+2x
 右図の青で示した線は
y=x22x+2
のグラフで,2次関数の係数は,
a=1, b=−2, c=2
です.
 赤で示した線は
y=x2+2x
のグラフで,2次関数の係数は,
a=−1, b=2, c=0
です.
y=x22x+2=(x1)2+1
y=x2+2x=(x1)2+1
だから,頂点のx座標はいずれもx=1で同じですが,bの符号が逆になっています.
 一般に,
y=ax2+bx+c=a(x2+bax)+c
=a{(x+b2a)2b24a2}+c
=a(x+b2a)2+{b24a+c}
の頂点のx座標(対称軸のx座標)は
x=b2a
ですが,頂点のx座標(対称軸のx座標)の符号を見ただけではbの符号は分かりません.
 上記の青で示した例では
x=b2a=1>0かつa=1>0
からb=−2<0が求まります.
 上記の赤で示した例では
x=b2a=1>0かつa=−1<0
からb=2>0が求まります.

bの符号の求め方】
①頂点のx座標x=b2aの符号
aの符号
の2つから決める
 初めの問題の図1では
①頂点のx座標x=b2a>0
a>0
だから,b<0になります.
bの符号の求め方,他の例≫
y x 0 b2a<0
a>0
b>0
y x 0 b2a>0
a>0
b<0
y x 0 b2a=0
a>0
b=0

y x 0 b2a<0
a<0
b<0
y x 0 b2a>0
a<0
b>0
y x 0 b2a=0
a<0
b=0


D=b24acの符号
 D=b24acという式は「判別式」と呼ばれ,その符号が2次関数のグラフとx軸との共有点の個数に対応しています.この結果は,次のように覚えて使います.
(A)
x
(B)
x

x軸との交点が2個あるから,判別式の符号はD=b24ac>0
(C)
x
(D)
x

x軸との接点が1個あるから,判別式の符号はD=b24ac=0

(E)
x
(F)
x

x軸との共有点がないから,判別式の符号はD=b24ac<0

 授業や教科書での教材の順序によって,判別式という用語をまだ習っていない場合は,次のように「頂点のy座標」の符号で判断します.
 一般に
y=ax2+bx+c=a(x2+bax)+c
=a{(x+b2a)2b24a2}+c
=a(x+b2a)2+{b24a+c}
=a(x+b2a)2b24ac4a
の頂点のy座標は
b24ac4a

(A)の図では
①下に凸だからa>0
②頂点のy座標b24ac4a<0
b24ac>0
(B)の図では
①上に凸だからa<0
②頂点のy座標b24ac4a>0
b24ac>0
(C)の図では
①下に凸だからa>0
②頂点のy座標b24ac4a=0
b24ac=0
(D)の図では
①上に凸だからa<0
②頂点のy座標b24ac4a=0
b24ac=0
(E)の図では
①下に凸だからa>0
②頂点のy座標b24ac4a>0
b24ac<0
(F)の図では
①上に凸だからa<0
②頂点のy座標b24ac4a<0
b24ac<0

a+b+c, a−b+cの符号
図3 y x 0 1 −1
 関数y=f(x)=ax2+bx+cにおいて, x=1を代入すると,yの値はa+b+cになります.これにより,右図のように,x=1のときのyの符号が分かるときは,a+b+cの符号が分かることになります.
右の図なら,a+b+c<0
 同様にして,x=−1を代入すると,yの値はa−b+cになります.これにより,右図のように,x=−1のときのyの符号が分かるときは,a−b+cの符号が分かることになります.
右の図なら,a−b+c<0
 2次関数y=f(x)=ax2+bx+cのグラフが与えられているとき,係数a, b, cなどの符号は次のようにまとめることができます.
【要点】
グラフの形が下に凸 ⇒ a>0
グラフの形が上に凸 ⇒ a<0
y軸との交点がx軸よりも上 ⇒ c>0
y軸との交点がx軸よりも下 ⇒ c<0
頂点(対称軸)のx座標とaの符号から
bの符号が求まる
x軸との共有点の個数が2個 ⇒ b24ac>0
x軸との共有点の個数が1個 ⇒ b24ac>0
x軸との共有点がない ⇒ b24ac<0
x=1のときのy座標から
a+b+cの符号が求まる
x=−1のときのy座標から
a−b+cの符号が求まる
同様にして,x=2のときのy座標が分かれば
4a+2b+cの符号が求まる

【問題】
 2次関数y=ax2+bx+cのグラフが次の図のようになるとき,a,b,c,b24ac,a+b+c,ab+cの符号を求めてください.
(正しいものをクリック.採点結果と解説が出ます)
(1)
y x 0
a<0 a=0 a>0

c<0 c=0 c>0

b<0 b=0 b>0

b24ac<0 b24ac=0 b24ac>0

a+b+c<0 a+b+c=0 a+b+c>0

a−b+c<0 a−b+c=0 a−b+c>0

(2)
y x 1 −1 0
a<0 a=0 a>0

c<0 c=0 c>0

b<0 b=0 b>0

b24ac<0 b24ac=0 b24ac>0

a+b+c<0 a+b+c=0 a+b+c>0

a−b+c<0 a−b+c=0 a−b+c>0


(3)
y x 0 1 −1
a<0 a=0 a>0

c<0 c=0 c>0

b<0 b=0 b>0

b24ac<0 b24ac=0 b24ac>0

a+b+c<0 a+b+c=0 a+b+c>0

a−b+c<0 a−b+c=0 a−b+c>0

(4)
y x 0 1 −1
a< 0 a=0 a> 0

c< 0 c=0 c> 0

b< 0 b=0 b> 0

b24ac<0 b24ac=0 b24ac>0

a+b+c<0 a+b+c=0 a+b+c>0

a−b+c<0 a−b+c=0 a−b+c>0


(5)
y x 0 1 −1
a<0 a=0 a>0

c<0 c=0 c>0

b<0 b=0 b>0

b24ac<0 b24ac=0 b24ac>0

a+b+c<0 a+b+c=0 a+b+c>0

a−b+c<0 a−b+c=0 a−b+c>0

(6)
y x 0
a<0 a=0 a>0

c<0 c=0 c>0

b<0 b=0 b>0

b24ac<0 b24ac=0 b24ac>0

a+b+c<0 a+b+c=0 a+b+c>0

a−b+c<0 a−b+c=0 a−b+c>0

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質問に対する回答の中学版はこの頁,高校版はこの頁にあります
■[個別の頁からの質問に対する回答][2次関数のグラフと係数の符号について/18.9.21]
2つの式の符号から決めるってどういう事ですか? (二次関数のグラフと係数の符号の問題についてです)
=>[作者]:連絡ありがとう.解説に書いてあることを,そのままオーム返しのように聞くのはよい質問ではない.
「次のように2つの式の符号から決める。 頂点のx座標(=軸)から −b / 2a<0,ここで(A)よりa>0 したがってb>0」
と書いてあるのだから,−b/2aとa の2つの式の符号から決めるということです.