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※高校数学Bの「ベクトル」について,このサイトには次の教材があります.
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ベクトルの定義
ベクトルの和
ベクトルの差
2点間のベクトル
ベクトルの実数倍
ベクトルの実数倍・和・差
ベクトルの図形への応用
同(2)
同(3)
同(4)
同(5)
同(6)
内分点の内分点
同(2)
点の存在範囲
同(2)
2直線の交点1
2直線の交点2-現在地
外心,重心,垂心,内心,オイラー線
ベクトル成分の計算
ベクトルの大きさ
ベクトルの内積
ベクトルの内積(成分)
ベクトルのなす角
|a|の変形
ベクトルの平行条件,垂直条件
一直線上にある条件
ベクトル方程式(内積)
ベクトルの公式一覧
センター試験.ベクトル.三角関数(2013年~)

【このページのテーマ】
このページでは,次のような問題を,平面幾何の定理やベクトル(複素数)を使って解く方法を考えます.
 △ABCにおいて,ABk:lに内分する点をPCAm:nに内分する点をRとし,CPBRの交点をXとする.さらに,AXの延長がBCと交わる点をQとする.
 このとき,BQ:QC, AX:XQ, BX:XR, CX:XPは幾らになるか?
【要点1:メネラウスの定理】
(メネラウスはギリシャの数学者,1世紀
 直線l△ABCの3辺AB, BC, CAまたはその延長と,それぞれ,P, Q, Rで交わるとき,次の式が成り立つ.
APPBBQQCCRRA=1
(公式の見方)
 右図のように,頂点Aからスタートして,交点Pまでの長さを分子(上)とし,次に,交点Pから頂点Bまでの長さを分母(下)とする.以下同様に分数を掛けて行って,頂点Aまで戻ったら,それらの分数の積が1になるという意味
 右の図では,交点Qだけ変な位置にあるように見えるが,1つの直線と3辺AB, BC, CAの交点を考えるとき,少なくとも1つの交点は辺の延長上に来る.
 ③:BC→④:CQと見るのではなく,上の定理のように③:BQ→④:QCと正しく読むには,機械的に
頂点A→交点→頂点B→交点→頂点C→交点→(頂点A)
のように,頂点と交点を交互に読めばよい.
【要するに】
分母と分子を逆に覚えても(①③⑤を分母にしても)結果が1になるのだから,式としては正しい.
通常,「メネラウスの定理」という場合は分子からスタートする流れになっている.

※証明はこのページ

【要点2:チェバの定理】
(チェバはイタリアの数学者,17世紀
 △ABCの辺上にない1点Oをとり,Oと頂点A, B, Cを結ぶ直線がそれぞれ辺AB, BC, CAまたはその延長と交わる点をP, Q, Rとするとき,次の式が成り立つ.
APPBBQQCCRRA=1
※チェバの定理の式自体は,メネラウスの定理と全く同じ形になりますが,P, Q, Rの場所が違います.
メネラウスの定理では3点P, Q, Rは1直線上に並びますが,チェバの定理では,それぞれ辺AB, BC, CAにあります.
(公式の見方)
 右図のように,頂点Aからスタートして,交点Pまでの長さを分子(上)とし,次に,交点Pから頂点Bまでの長さを分母(下)とする.以下同様に分数を掛けて行って,頂点Aまで戻ったら,それらの分数の積が1になるという意味
 機械的に
頂点A→交点→頂点B→交点→頂点C→交点→(頂点A)
のように,頂点と交点を交互に読めばよいのもメネラウスの定理と同じ.
【要するに】
分母と分子を逆に覚えても(①③⑤を分母にしても)結果が1になるのだから,式としては正しい.
通常,「チェバの定理」という場合は分子からスタートする流れになっている.
※チェバの定理は,点O△ABCの外部にある場合にも証明できる.
※証明はこのページ

【要点3:直線の交点をベクトルや複素数で求める方法】
 右図のような△OABにおいて,辺OA3:2に内分する点をC,辺OB4:5に内分する点をDとするとき,直線ADと直線BCの交点Pの位置ベクトルOPを求める方法
 Pは直線BC上にあるから
OP=OC+sCB
sは1よりも小さな実数,つまりCBを何倍に縮小したらCPになる)
OP=35a+s(b35a)=35(1s)a+sb…(1)
また,Pは直線AD上にあるから
OP=OD+tDA
tは1よりも小さな実数,つまりDAを何倍に縮小したらDPになる)
OP=49b+t(a49b)=ta+49(1t)b…(2)
ADBCの交点Pは(1)(2)の両方を満たす.逆に(1)(2)の両方を満たす点はADBCの交点になる.そこで(1)(2)が成立するような実数s, tを求めるとよい.
35(1s)a+sb=ta+49(1t)b…(3)
【ベクトルの1次独立】
■1 一般に,平行でなく零ベクトルでもない2つのベクトルa,b
sa+tb=0
を満たすなら
s=0,t=0
が成り立ちます.
(証明)
s0ならば,a=tsbと変形できて,a//bとなる.これは平行でないという仮定に反する.よって,s=0
次に,s=0なら,tb=0になるが,bは零ベクトルでないからt=0
以上により,s=0,t=0
■2 上記の定理から,次の定理が導かれる.
 平行でなく零ベクトルでもない2つのベクトルa,b
s1a+t1b=s2a+t2b
を満たすなら
s1=s2,t1=t2
が成り立つ.
(証明)
s1a+t1b=s2a+t2b
ならば,(s1s2)a+(t1t2)b=0となり,上記の結果からs1s2=0,t1t2=0がいえる.
(3)より,次の連立方程式を解けばよいことになります.
35(1s)=t
s=49(1t)
この連立方程式を解くと,s=833,t=511となるから(途中経過は各自確認してください)
これを(1)または(2)に代入すると
OP=15a+8b33…(答)
※この問題を,複素数平面上において直線の交点を求めることにした場合,点A, B, Pを表す複素数を各々α, β, zとおけば,上記とほとんど同じ形で求められます.

【要点4:内分点の公式を2段階に使う方法】
 右図1のように,2点A, Bの位置ベクトルをa,bとすると,線分ABm:nに内分する点Xの位置ベクトルは
na+mbm+n
になります.
 右図2のように,3点A, B, Cの位置ベクトルをa,b,cとすると,
pa+qb+rcp+q+r
で表される点は
ABq:pに内分する点をDとするとき,DCr:(q+p)に内分する点になります. …(1)
BCr:qに内分する点をEとするとき,EAp:(r+q)に内分する点になります. …(2)
CAp:rに内分する点をFとするとき,FBq:(r+p)に内分する点になります. …(3)
 図1とその公式は教科書に載っている基本なので,ここでは証明は省略する.
 図2の式は,次のように変形すると分かります.
pa+qb+rcp+q+r=(q+p)pa+qbq+p+rcr+(q+p)

pa+qbq+pcr:(q+p)に内分する. →(1)
pa+qb+rcp+q+r=pa+(q+r)qb+rcq+rp+(q+r)

qb+rcq+rap:(q+r)に内分する. →(2)
pa+qb+rcp+q+r=qb+(p+r)pa+rcp+rq+(p+r)

pa+rcp+rbq:(p+r)に内分する. →(3)

【例題1】
 右図の△ABCにおいて,AB2:3に内分する点をPAC5:4に内分する点をRとし,BRCPの交点をXとする.さらに,AXの延長がBCと交わる点をQとする.
 このとき,BQ:QC, AX:XQ, BX:XR, CX:XPをそれぞれ最も簡単な整数比で表してください.
(チェバの定理,メネラウスの定理で解く場合)
■チェバの定理により
23BQQC45=1
だから
BQQC=158
BQ:QC=15:8
次に,メネラウスの定理を使って,△ABCの内部の線分の長さの比を求める.
メネラウスの定理では,三角形と交わる直線の長さの比は出てこずに,直線によって分けられる三角形の辺の比が出てくることに注意
右図のように△ABQに直線PXCが交わるとみると,QX:XAの比が分かる
■メネラウスの定理を右図のように使うと
23238QXXA=1
だから
QXXA=2446=1223
QX:XA=12:23
■メネラウスの定理を右図のように使うと
23BXXR49=1
だから
BXXR=278
BX:XR=27:8
■メネラウスの定理を右図のように使うと
53PXXC45=1
だから
PXXC=1520=34
PX:XC=3:4
CX:XP=4:3

例題1続き(直線の交点をベクトルや複素数で求める場合)
 右図のように点Aを原点に選んで,AB=b,AC=cとおき,2直線CP, BRの交点Xの位置ベクトルをb,cで表すことを考える.
 XBR上にあるから
AX=AB+sBR(0<s<1)
=b+s(59cb)
=(1s)b+59sc…(1)
 XCP上にあるから
AX=AC+tCP(0<t<1)
=c+t(25bc)
=25tb+(1t)c…(2)
(1)(2)の両方が成り立つから
(1s)b+59sc=25tb+(1t)c
bcは平行でなく,零ベクトルでもないから
1s=25t
59s=1t
この連立方程式を解くと
s=2735,t=47
したがって
BX:XR=s:(1s)=2735:835=27:8
CX:XP=t:(1t)=47:37=4:3
また,s,tを代入すると
AX=8b+15c35
だから
この変形を覚えておく方がよい
AX=23358b+15c23
BQ:QC=15:8
AX:XQ=23:12
※複素数平面で2直線の交点を求める場合も,ほぼ同様の答案でよい・・・B, C位置ベクトルAB=b,AC=c の代わりに,Aを原点としたときのB, Cが表す複素数をβ, γを用いると,上記の途中計算のb,cβ, γに置き換えた式が複素数での計算式になる.

例題1続き(内分点の公式を2段階に使う場合)
[再掲]
3点A, B, Cの位置ベクトルをa,b,cとすると,
pa+qb+rcp+q+r=(q+p)pa+qbq+p+rcr+(q+p)
で表される点は
ABq:pに内分する点をPとするとき,PCr:(q+p)に内分する点になる.
適当な場所に原点をとり,3点A, B, Cの位置ベクトルをa,b,cとすると,PAB2:3に内分するから
OP=3a+2b5
XCPk:lに内分する点とすると
OX=k3a+2b5+lck+l
これにより,k, lの比が何であっても,aの係数とbの係数の比は3:2になる.
p:q=3:2…(1)
RAC5:4に内分するから
OR=4a+5c9
XBRm:nに内分する点とすると
OX=m4a+5c9+nbm+n
これにより,m, nの比が何であっても,aの係数とcの係数の比は4:5になる.
p:r=4:5…(2)
(1)(2)より,p:q:rを連比にするために,pの値をそろえると(通分する | 最小公倍数にする | 同じスケールで表す)
p:q=3:2=12:8…(1)
p:r=4:5=12:15…(2)
p:q:r=12:8:15
OX=12a+8b+15c35…(*)
(*)により
OX=2012a+8b20+15c35=20OP+15c35
は,CP20:15=4:3に内分する.
OX=12a+238b+15c2335=12a+23OQ35
は,AQ23:12に内分する.
また,BC15:8に内分する.
OX=8b+2712a+15c2735=8b+27OR35
は,BR27:8に内分する.
(全部できなければならない訳ではない.
どの方法を「自分の得意技」にするか:筆者の印象)
■「三辺の内分比」は,チェバの定理を覚えていればできる.「三角形の内部の線分の比」をメネラウスの定理で解くためには,三角形と交わる直線の選び方に頭を使わなければならない.
■ベクトル(または複素数)を使って2直線の交点を求める方法は,考え方は簡単であるが,計算は大変
■内分点を2段階に使う方法は,p:q:rを求めると,全部の比が分かるが,三角形の内部の点は
pa+qb+rcp+q+r(p,q,r>0)
で表せるということが分かっていなければならないので,その考え方に慣れるまでが大変かもしれない.
このページにも関連事項があります

【例題2】
 右図の△ABCにおいて,AB1:3に内分する点をPBC1:2に内分する点をQとし,BRCPの交点をXとする.さらに,BXの延長がACと交わる点をRとする.
 このとき,CR:RA, AX:XQ, BX:XR, CX:XPをそれぞれ最も簡単な整数比で表してください.
(解答)
CR:RA=6:1
AX:XQ=1:2
BX:XR=7:2
CX:XP=8:1

■例題2の詳しい解答■
中学数学の平行線の性質(相似図形)で解く方法
(1) AX:XQを求めよ
QからCPに平行な直線を引き,BPとの交点をSとおくと
BS:SP=BQ:QC=1:2
AX:XQ=AP:PS=1:2…(答)
(2) CX:XPを求めよ
PからXQに平行な直線を引き,BQとの交点をTとおくと
BT:TQ=BP:PA=3:1
BQの縮尺を1→4に4倍しているから,QCも4倍すると
TQ:QC=1:8
CX:XP=CQ:QT=8:1…(答)

(3) CR:RAを求めよ
QからBRに平行な直線を引き,CRとの交点をUとおくと
AR:RU=AX:XQ=1:2
RU:UC=BQ:QC=1:2
RUを2にそろえると
AR:RU:UC=1:2:4
CR:RA=6:1…(答)
(4) BX:XRを求めよ
RからXPに平行な直線を引き,APとの交点をVとおくと
AV:VP=AR:RC=1:6
APの縮尺を1→7に7倍しているから,PBも7倍すると
AV:VP:PB=1:6:21
BX:XR=BP:PV=21:6=7:2…(答)

■例題2の詳しい解答■
数学Aのチェバの定理,メネラウスの定理で解く方法
(1) CR:RAを求めよ
 チェバの定理から,
APPBBQQCCRRA=1
が成り立つから
1312CRRA=1
CRRA=61
ゆえに,CR:RA=6:1…(答)
(2) BX:XRを求めよ
△ABRに直線PXCが交わる図形に対してメネラウスの定理を適用すると
APPBBXXRRCCA=1
が成り立つから
13BXXR67=1
BXXR=72
ゆえに,BX:XR=7:2…(答)

(3) AX:XQを求めよ
△ABQに直線PXCが交わる図形に対してメネラウスの定理を適用すると
APPBBCCQQXXA=1
が成り立つから
1332QXXA=1
QXXA=21
ゆえに,AX:XQ=1:2…(答)
(4) CX:XPを求めよ
△APCに直線BXRが交わる図形に対してメネラウスの定理を適用すると
ABBPPXXCCRRA=1
が成り立つから
43PXXC61=1
PXXC=18
ゆえに,CX:XP=8:1…(答)

■例題2の詳しい解答■
数学Bのベクトルで内分比を2段階に分けて使う方法
 ΔABCの頂点の位置ベクトルを各々A(a),B(b),C(c)とするとき,
OX=pa+qb+rcp+q+r
(p>0,q>0,r>0)…(1)
となる点XΔABCの内部の1点を表す.(逆も言える)
OX=(p+q)pa+qbp+q+rc(p+q)+r
と変形すると,問題よりp:q=3:1
また
OX=pa+(q+r)qb+rcq+rp+(q+r)
と変形すると,問題よりq:r=2:1
qを2にそろえると,p:q:r=6:2:1
OX=6a+2b+c6+2+1…(*)

CR:RA, AX:XQ, BX:XR, CX:XPをそれぞれ最も簡単な整数比で表してください.
OX=(6+1)6a+c6+1+2b(6+1)+2
と変形できるから,Xは「ACを1:6に内分する点R」と「B」を2:7に内分する.
したがって,CR:RA=6:1, BX:XR=7:2…(答)
OX=6a+(2+1)2b+c2+16+(2+1)
と変形できるから,Xは「BCを1:2に内分する点Q」と「A」を6:3に内分する.
したがって,AX:XQ=1:2…(答)
OX=(6+2)6a+2b6+2+c(6+2)+1
と変形できるから,Xは「ABを1:3に内分する点P」と「C」を1:8に内分する.
したがって,CX:XP=8:1…(答)

■例題2の詳しい解答■
数学Bのベクトルで2直線の交点を求める方法
 右図において原点をBにとった位置ベクトルを用いて,CPとAQの交点Xを求める.
BからPを通ってXに行くには
BX=BP+sPC
=34a+s(c34a)
=34(1s)a+sc…(1)
BからQを通ってXに行くには
BX=BQ+tQA
=13c+t(a13c)
=ta+13(1t)c…(2)
2直線の交点Xは(1)(2)の両方を満たすから
34(1s)a+sc=ta+13(1t)c…(3)
(3)において,a,cは三角形の2辺に対応しているから,平行でなく零ベクトルでもないから
34(1s)=t
s=13(1t)
この連立方程式を解くと
s=19,t=23
これらを(1)または(2)に戻すと
BX=23a+19c

CR:RA, AX:XQ, BX:XR, CX:XPをそれぞれ最も簡単な整数比で表してください.
sはPX/PCの比を表すから,CX:XP=8:1…(答)
tはQX/QAの比を表すから,AX:XQ=1:2…(答)
BX=23a+19c=796a+c7
と変形できるから
Xは「CAを6:1に内分する点R」と「B」を2:7に内分する点
CR:RA=6:1…(答)
BX:XR=7:2…(答)

【例題3】
 △ABCにおいて,BC3:4に内分する点をQCA2:5に内分する点をRとし,AQBRの交点をXとする.さらに,CXの延長がABと交わる点をPとする.
 このとき,AP:PB, AX:XQ, BX:XR, CX:XPをそれぞれ最も簡単な整数比で表してください.
(解答)
AP:PB=10:3
AX:XQ=35:6
BX:XR=21:20
CX:XP=26:15
【例題4】
 △ABCにおいて,BC2:3に内分する点をQAQ2:1に内分する点をXとし,BXの延長とCAの交点をRCXの延長とABの交点をPとする.
 このとき,AP:PB, CR:RA, BX:XR, CX:XPをそれぞれ最も簡単な整数比で表してください.
(解答)
AP:PB=6:5
CR:RA=5:4
BX:XR=3:2
CX:XP=11:4
【例題5】
 △ABCにおいて,AC4:3に内分する点をRBR5:2に内分する点をXとし,AXの延長とBCの交点をQCXの延長とABの交点をPとする.
 このとき,AP:PB, BQ:QC, AX:XQ, CX:XPをそれぞれ最も簡単な整数比で表してください.
(解答)
AP:PB=14:15
BQ:QC=10:7
AX:XQ=34:15
CX:XP=29:20

【一般に(1)】
 △ABCにおいて,ABk:lに内分する点をPCAm:nに内分する点をRとし,AQBRの交点をXとする.さらに,AXの延長がBCと交わる点をQとする.
 このとき,BQ:QC, AX:XQ, BX:XR, CX:XPをそれぞれ最も簡単な整数比で表してください.
(解答)
次の整数比は「最も簡単な」整数比とは限らないので,共通因数があれば割って答えるものとする.
これは「覚えるような公式ではない!」
必要になってから「作る」のが秘訣
BQ:QC=ln:km
AX:XQ=km+ln:lm
BX:XR=l(m+n):km
CX:XP=(k+l)m:ln
各自で確かめるとよいが,ここでは内分点の公式を2段階に使う方法で解説する.
求めるベクトルを
OX=pa+qb+rcp+q+r=(p+q)pa+qbp+q+rc(p+q)+r
とおくと
p:q=l:k…(1)
OX=pa+qb+rcp+q+r=(p+r)pa+rcp+r+qb(p+r)+q
とおくと
p:r=m:n…(2)
(1)(2)から
p:q:r=lm:km:ln…(*)
したがって
OX=lma+kmb+lnclm+km+ln
=(lm+km)lma+kmblm+km+lnc(lm+km)+ln
により,CX:XP=(k+l)m:ln
OX=(lm+ln)lma+lnclm+ln+kmb(lm+ln)+km
により,BX:XR=lm+ln:km
OX=(km+ln)kmb+lnckm+ln+lma(km+ln)+lm
により,AX:XQ=km+ln:lm
また,BQ:QC=ln:km

【一般に(2)】
 △ABCにおいて,BCk:lに内分する点をQAQm:nに内分する点をXとし,BXの延長とCAの交点をRCXの延長とABの交点をPとする.
 このとき,AP:PB, CR:RA, BX:XR, CX:XPをそれぞれ最も簡単な整数比で表してください.
(解答)
次の整数比は「最も簡単な」整数比とは限らないので,共通因数があれば割って答えるものとする.
これは「覚えるような公式ではない!」
必要になってから「作る」のが秘訣
AP:PB=lm:(k+l)n
CR:RA=(k+l)n:km
BX:XR=(k+l)n+km:lm
CX:XP=(k+l)n+lm:km
各自で確かめるとよいが,ここではメネラウスの定理,チェバの定理を使って解説する.
△ABQに直線PCが交わっている図において,メネラウスの定理を適用すると
APPBk+llnm=1
APPB=lm(k+l)n
AP:PB=lm:(k+l)n
△ABCにチェバの定理を適用すると
lm(k+l)nklCRRA=1
CRRA=(k+l)nkm
CR:RA=(k+l)n:km
△ABRに直線PCが交わっている図において,メネラウスの定理を適用すると
lm(k+l)nBXXR(k+l)n(k+l)n+km=1
BXXR=(k+l)nlm
BX:XR=(k+l)n
△APCに直線BRが交わっている図において,メネラウスの定理を適用すると
lm+(k+l)n(k+l)nPXXC(k+l)nkm=1
PXXC=kmlm+(k+l)n
PX:XC=km:lm+(k+l)n

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■[個別の頁からの質問に対する回答][2直線の交点(3通り)について/18.7.15]
【要点3:直線の交点をベクトルや複素数で求める方法】 において、OCベクトルを2/5aベクトルと書かれてますが、3/5aベクトルの間違いかと思われます。 ご確認おねがいします。
=>[作者]:連絡ありがとう.いかん,いかん,得意の計算間違いでしたので,訂正しました.(こんな調子で,ん十年勤まったとは,どんなゆるい職場?)

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