現在地と前後の項目

*** 定積分 ***
/定積分の基本/定積分の置換積分法1/定積分の置換積分法2/定積分の部分積分法/limΣ→定積分/limΣ(2)入試問題/Excelで定積分/多項式.分数.無理関数の定積分/無理関数の定積分/三角関数の定積分/絶対値.三角関数の定積分/定積分の漸化式/間接的に求める/定積分で定義される関数/
*** 面積 ***
/閉曲線で囲まれた面積1/閉曲線で囲まれた面積2(媒介変数)/閉曲線で囲まれた面積3(媒介変数)/
*** 微分方程式 ***
/変数分離形微分方程式/定数係数の2階線形微分方程式(同次形)/定数係数の2階線形微分方程式(非同次形)/
*** 体積,表面積 ***
/体積,表面積/
*** 曲線の長さ ***
/曲線の長さ/

== 定積分で定義される関数(入試問題) ==
【基本1】
== 下端と上端が定数である定積分は,定数になる ==
abf(t)dt
は,定数
【例1】
f(x)=x+abf(t)dt
のとき,f(x)=x+kkは定数)とおける.
⇒1次関数になり,定数項kを定めると関数形が求まる.
【例2】
f(x)=x2+xabf(t)dt
のとき,f(x)=x2+kxkは定数)とおける.
⇒2次関数になり,1次の係数kを定めると関数形が求まる.
== 難易などの目安 ==
《考え方》
  ★:易しい,★★:普通,★★★:難しい
《計算量》
  ☆:少ない,☆☆:普通,☆☆☆:多い
(★,☆)
【例題1】 次の等式を満たす関数f(x)を求めよ.
f(x)=1+x01f(t)dt
(2021年度東京都市大学情報工学部)
(※この問題は,数学Ⅱの範囲で解ける)
f(x)=1+kx
f(t)=1+kt
とおける
k=01(1+kt)dt=[t+k2t2]01=1+k2
k2=1
k=2
したがって
f(x)=1+2x・・・(答)

(★,☆)
【問題1-1】 
f(x)=x01etf(t)dtを満たす関数はf(x)=  である.
(2000年度関西大工学部)
[解答を見る]
(★,☆☆)
【問題1-2】 
(1) 定積分0π3xcos2xdxを求めよ.
(2) π2<x<π2で定義された関数f(x)
f(x)cos2x=πxlog20π3f(t)dt
をみたすとき,f(x)を求めよ.
(2018年度横浜国立大理工学部)
[解答を見る]

(★,☆☆)
【例題2】 
f(x)=cosx+0πsin(xt)f(t)dtを満たす関数f(x)を求めよ.
(2015年度福島県立医科大)
被積分関数sin(x−t) f(x)xtを分離するために,三角関数の加法定理を使うことができる
三角関数の加法定理により
sin(xt)=sinxcostcosxsint
f(x)=cosx+0π(sinxcostcosxsint)f(t)dt
=cosx+sinx0πcostf(t)dtcosx0πsintf(t)dt
ここで
0πcostf(t)dt=a,0πsintf(t)dt=b
a, bは定数)とおくと
f(x)=cosx+asinxbcosx
=asinx+(1b)cosx
の形に書ける.
定数a, bの値を求める.
a=0πcost{asint+(1b)cost}dt
=a0πcostsintdt+(1b)0πcos2tdt
三角関数の2倍角公式(⇔半角公式)により
sintcost=sin2t2
cos2t=1+cos2t2
sin2t=1cos2t2
=a20πsin2tdt+1b20π(1+cos2t)dt
=a2[cos2t2]0π+1b2[t+sin2t2]0π
=1b2π・・・(#1)
b=0πsint{asint+(1b)cost}dt
=a0πsin2tdt+(1b)0πsintcostdt
=a20π(1cos2t)dt+1b20πsin2tdt
=a2[tsin2t2]0π+1b2[cos2t2]0π
=πa2・・・(#2)
(#1)(#2)から
a=1b2π・・・(#1)
b=πa2・・・(#2)
(#1)を(#2)に代入する
b=π2(1b2π)=π24(1b)
4b=π2π2b
(π2+4)b=π2
b=π2π2+4
(#2)に代入
π2π2+4=πa2
a=π2π2+4×2π=2ππ2+4
f(x)=2ππ2+4sinx+(1π2π2+4)cosx
=2ππ2+4sinx+4π2+4cosx・・・(答)

(★,☆☆)
【問題2-1】 
等式f(x)=cosx+1π0πf(t)cos(tx)dtを満たす関数f(x)を求めよ.
(2015年度愛知教育大)
[解答を見る]
(★,☆☆)
【問題2-2】 
 aが実数の範囲を動くとき,定積分
01(11+t2at)2dt
の最小値を求めよ.また,そのときのaの値を求めよ.
(2017年度信州大理学部)
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【基本2】
(1)ddxaxf(t)dt=f(x)

(2)ddxxaf(t)dt=f(x)
(解説)
(1) 「積分区間の上端」と「微分する変数」が同じ文字xのとき,文字が入れ替わってxの関数になる.
f(t)dt=F(t)+C
f(t)の1つの原始関数をF(t)とするとき
axf(t)dt=F(x)F(a)
だから
ddxaxf(t)dt=ddx{F(x)F(a)}
=F(x)0=f(x)
(2)
ddxxaf(t)dt
ddx{F(a)F(x)}
=0F(x)
=f(x)
【例3】
ddxaxetcostdt=excosx
【例4】
積分変数txを分離してから微分する
ddxax(xt)etdt
=ddx{xaxetdtaxtetdt}
第1項は「積の微分法」に従って,xの関数として微分する
=1×axetdt+xexxex
=axetdt=exea
(★,☆)
【例題3】 
 関数f(x)=π2x(tx)costdtについて,次の問い
に答えよ.
(1) 関数f(x)の導関数f’(x)を求めよ.
(2) π2xπの範囲におけるf(x)の最大値を求めよ.
(2021年度福岡大工学部)
(1)
f(x)=π2xtcostdtxπ2xcostdt
f(x)=xcosxπ2xcostdtxcosx
=π2xcostdt
=[sint]π2x
=sinx+1
(2)
原式からf(π2)=0・・・(#1)
また,(1)の結果から
f(x)=(sinx+1)dx=cosx+x+C・・・(#2)
(#1)(#2)より
f(π2)=0+π2+C=0
C=π2
f(x)=cosx+xπ2
xπ2π
f’(x)+
f(x)mM
M=cosπ+ππ2=π21・・・(最大値)

(★,☆☆)
【問題3-1】 
F(x)=12x+0x(tx)sintdtとおく.
(ⅰ) 導関数F(x)および第2次導関数F(x)を求めよ.
(ⅱ) 0≦x≦πにおけるF(x)の最大値と最小値を求めよ.
(2009年度同志社大文化情報学部.一部引用)
[解答を見る]
(★,☆☆)
【問題3-2】 
1xlogtdt=(1)であるので,
f(x)=1x(x1)logtdtのとき,f(x)=(2)である.
(2015年度神奈川大理・工学部)
[解答を見る]

(★,☆☆)
【問題3-3】 
 関数f(x)=0xt(t1)(tx)dtを最大とするようなxの値を求めよ.
(2009年度日本女子大理学部)
[解答を見る]
(★,☆☆)
【問題3-4】 
 関数f(x)は微分可能で
f(x)=x2ex+0xetxf(t)dx
を満たすものとする.次の問いに答えよ.
(1) f(0),f(0)を求めよ.
(2) f(x)を求めよ.
(3) f(x)を求めよ.
(2017年度埼玉大理・工学部)
[解答を見る]

(★,☆☆)
【例題4】
0xtf(xt)dt=sin2x+kx・・・①
を満たす関数f(x)と定数kを求めたい.
x−t=uとおいて①の左辺を書き直すと,
x0x du0x du=sin2x+kx
となる.両辺をxで微分して整理すれば,
0xdu= ・・・②
を得る.ここで,x=0とおくことにより,k=が得られ,さらに,②の両辺をxで微分することにより,f(x)=となる.
(2009年度東海大理・工学部)
x−t=uとおく置換積分により
dudt=1dt=du
t=x→u
t0→x
ux→0
このとき
0xtf(xt)dt=x0(xu)f(u)(du)
=0x(xu)f(u)du
=x0xf(u)du0xuf(u)du
=x0xf(u)du0xuf(u)du
両辺をxで微分すると
0xf(u)du+xf(x)xf(x)=2cos2x+k…②'
x=0とおくと
0=2+k
k=2
さらに②'の両辺をxで微分すると
f(x)=4sin2x
(★,☆☆)
【問題4-1】
 すべての実数xに対して
0xtf(xt)dt=0xf(t)dtsinx+cosx+2x1
をみたす連続関数f(x)がある.
(1) 0xtf(xt)dt=x0xf(t)dt0xtf(t)dt
を示せ.
(2) f(x)を求めよ.ただし,関係式dydx=yをみたすyy=CexCは任意定数)である.
(2000年度芝浦工大)
[解答を見る]
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